渓流の製作

紀茂川(きもかわ)上流

製作中のNゲージレイアウト「駅前商店街(仮)」の作業がなかなか進まず、すっかりブログの更新をサボっていました…。しかも、せっかく蒔いたバラストが気に入らず、やり直しのため剥がし中。しかし、撒くより剥がす方が手間がかかる…。まだ少々時間がかかりそうなので、今回のブログは多数の、いや多少のご要望があった渓流の作り方について書いてみたいと思います。

Nゲージレイアウト「渓上里村」の渓流を作った時にはこうしてブログを書こうとは考えておらず、写真があまり残っていませんので、一部再現写真なども使っています。

渓流の岩場

渓流の岩場。まだまだ手探りで作っていた頃で、どう作って良いかよくわからず、岩の製作はKATO シーナリーセット 岩面製作を使用して、付属の説明書通りに作りました。セットに入っているのは石膏、ロックモールド(岩の型)、塗料、プラスタークロス(石膏をまぶしたシート)など。必要な物は一通り入っているのでなかなか便利です。石膏をロックモールドに入れて固めて岩を作り、適当な大きさに切断してモデリングペーストで貼り付けて岩の間をプラスタークロスで埋め、付属のカラー3色、おそらく水性アクリル?を薄めて着色。少しつや消しホワイトをドライブラシしたかな?

河原と川底の砂利

河原、川底の砂利は光栄堂 サンドパウダー SA-23 グレーミックス 50gを3袋くらい使ったかな?それにTOMIX シーナリーバラスト F ミックスも混ぜて敷き詰めました。もちろん川の部分は低く、河原は盛り上げて。少し大きな石や岩にはモーリン 石系素材 Rストーン 川石 渓谷用とか、商品検索では見つからなかったけど東急ハンズで買った石素材などを使用。

ジオラマ用として売っている製品の中には。石に見えるように着色している物もありますけど、やはり自然石をそのまま使用している物がいいですね。リアルであることはもちろん、自然石である事が後に役立つことになります。

渓流に使用した石素材

敷き詰めた砂利を固着するのは、バラストと全く同じ要領です。木工ボンドを水で3倍くらいに薄めて食器用洗剤を少量加えたボンド液をスポイトで垂らして染み込ませます。

川底の着色

川底はMr.ウェザリングカラー グランドブラウンを川石の間に染み込ませるような要領で着色。だいぶ川っぽくなってきました。

さて、次はいよいよ水の表現。いろいろネットで調べてたら、情景師アラーキーさんの作品を見て、こんな感じに作りたい!と思い(その時に見たブログはこちら)真似して同じ透明レジンを使うことにしました。

ITW デブコンET 高透明注型用樹脂 300g ET-300

レジンを入れる前に、川の中の草や苔の表現に部分的に緑系のパウダーを撒いたり、KATOフィールド・グラスで水辺に葦を生やしたりしてます。石も一部配置しなおしました。例によって写真が残ってなくてすみません…。

主剤と硬化剤を説明書通りの分量で混ぜ、流し入れます。どうしても気泡が出てしまうので、楊枝などでつついて潰します。

硬化するには1日程度かかります。アラーキーさんは完全に硬化する前に楊枝などで表面を突き、水面のゆらぎを表現したそうですが、タイミングがよくわからず、もし失敗したらやり直せないし、断念しました…。

レジンを流し入れる

硬化した時は、その透明感に感動…。でも、表面はつるつるで、まだまだ渓流っぽくはありません。それに、レジンが浸透して河原も水際はテカテカ、飛沫もかからないであろう岩の上の方も光ってしまっています。不自然なので、ルーターで石の表面に付いたレジンを削り取りました(写真は再現)。自然石だからこそできる事ですよね。河原も、水際の一部はルーターで削り落とし、砂利を撒きなおしました。

ルーターで石を削る

あと、ストロー効果、でしたっけ?フィールドグラスがレジンを吸い上げて光ってしまってます…。河原の砂利に浸透してしまうのも同様の効果でしょうか。まあ、ちょっと濡れてるかな、くらいに思って気にしなければいいのですが。水辺に草を植えるときには注意が必要ですね。ミニジオラマ「木橋のある里川」を作った際には、河原に植えた草がレジンを吸い上げてカチカチに固まってしまい、削り落とした事がありました。

レジンを吸い上げる葦

水面のゆらぎの表現には、グロスメディウムを使いました。

水面にグロスメディウムを塗り、硬化が始まってから歯ブラシ等で叩くと、自然な凹凸ができます。塗って7〜10分くらいだったかな?タイミングが早すぎると平らに戻ってしまうし、遅いとブラシの跡がそのままついてしまいます。ただ、気に入らなければアクリル溶剤で拭き取ってもレジンには全く影響がないので、気に入るまで何回でもやり直せます。何回くらいやり直したかなあ…。ただ、他のレジンでも大丈夫なのかは使っていないのでわかりませんが。

川面のさざ波

ちなみに、露天風呂もここまでのやり方と同じ方法で作りました。

露天風呂

さて、仕上げは白波。白の塗料を塗るだけでは波の立体感が出ないと思い、リキテックス ジェルメディウムアクリルのホワイトを1/3くらい混ぜて、面相筆の先でちょんちょんと描いていきました(写真は再現)。これも、気に入らなければアクリル溶剤で消してやり直せます。ただ、グロスメディウムまで落としてしまうとまたグロスメディウムを塗るところからやり直す必要があるので面倒ですけど…。私は渓流釣りが好きなので、写真などの資料はほとんど見ずに、ここはこんな感じに白波が立つんだろうな、と想像しながら描きました。実に楽しい作業でしたけど、すごく時間かかりました…。

面相筆で白波を描く
紀茂川(きもかわ)上流
紀茂川(きもかわ)中流
紀茂川(きもかわ)下流

渓流を我が家に再現してしまうなんて、ジオラマの醍醐味ですよね。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。ではまた!

「渓流の製作」への2件のフィードバック

  1. はじめまして 情景の製作記事、凄く参考になり、勉強させていただいております。川の表現にあたっては、ここ数年で色々な材料が揃ってきましたが、それらを駆使しても作り手の技術や知識が求められ本当に難しいですよね。でも凄くリアルにできていると思います!特に川底の色表現、私も渓流釣りをやりますが、大きめの岩のある流域の川底の色なんて、やはり川に慣れ親しんでいるからこそ表現できるものだと思います。これからもシーナリー製作楽しみにしております。

    1. まさるさん はじめまして!コメントありがとうございます。慣れ親しんでいる渓流の雰囲気を少しでも表現できるように頑張った甲斐がありました。今後ともよろしくお願い致します!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です