街灯付き電柱の製作(コンクリート電柱その1)

今製作しているNゲージレイアウト「駅前商店街(仮)」は、ちょっと懐かしい、でも当時としてはありきたりでごく普通の街角の風景を再現したいと思って作り始めましたので、電柱はとにかく欠かせないアイテム。そして、夜景も再現するとなると、電柱の街灯が点灯していないのは不自然…。ということで、点灯する街灯付き電柱の製作は避けて通ることはできませんでした。そして予想通り、大変手間のかかる物でした…。

というわけで、今回はその街灯付き電柱の製作の様子をご紹介したいと思います。長くなりそうです…。

ベースとして使用したのは、トミーテックのジオコレ情景小物 電柱B2コンクリート製です。塗装済みで、ただ立てるだけでも十分雰囲気が出ますが、とにかく街灯を点灯させるために今回は大幅に改造しています。

残念ながら、アマゾン、楽天とも現在(2022.1.21現在)品切れ中のようです。

でも、再生産を待たなくても同じ作り方で他の製品でも作れると思います。

まず問題になるのが、電柱の下から街灯までどうやって線を通すか。一番いいのは電柱をパイプ状にしてしまう事なので、旋盤で挑戦してみましたがどうしてもズレて横に穴が開いてしまいダメでした。もっと精度の高い旋盤なら出来るのか、腕がよければ出来るのか…。

溝を掘って線を通して埋める方法も考えましたが、8本作る事を考えると溝を掘るのも埋めるのも作業が大変だと思い、線を通す部分だけプラパイプに置き換えることにしました。

使用したのは2mm径のプラパイプ。以前東急ハンズでまとめ買いした物ですが、検索しても通販で買える製品が見当たらない…。3mmは結構あるんですが。まとめて買っておいてよかった。加工や塗装はちょっと面倒になりますが、真鍮パイプでも代用はできます。

電柱の下側、プラパイプに置き換える部分を、継ぎ目が目立たないように段差があるところで切断。プラパイプは、電柱から切断した部分より、余裕をみて少し長めに切断します。

切断にある程度精度が必要な場合には今まではタミヤの精密ノコギリを使用していましたが、今回は数も多いので旋盤にPROXXONの小径丸のこ刃を装着して使用しました。切る角度も安定するし、何より早いです。

2mm径のプラパイプだと、電柱は約1.8mmなので僅かに太い。あんまり目立たないかな、と思いましたが、実際に付けてみると思った以上に太さの違いが目立ちました。Nゲージサイズだと0.2mmの径の差も許してもらえない…。

なので、旋盤でプラパイプを削り、電柱と同じ太さにしました。これを8本やるのはなかなか面倒でした…。

ちなみに、今使っている旋盤はこちら。精度的にはどうなのかわかりませんが、とにかく安いし、今回のような作業には十分なので、とりあえず旋盤を使ってみたい、という方にはいいかもです。

プラパイプの内径は約1mmなので、電柱側の切断面にピンバイスで1mmの穴を開けて1mm径のプラ棒を差し込み、プラパイプに差し込んで繋げられるようにしました。でも、穴のセンターが僅かでもずれると電柱とプラパイプがずれる…。しょうがないので、仕上げの時に微調整することにします。

次に、プラパイプに線を通すための0.8mmの穴をピンバイスで空けます。パイプをしっかり固定して、線がスムーズに通せるように下に向かって斜めに穴を空けます。

次は塗装。Mr. カラーのガルグレーニュートラルグレーを1対1で混ぜて塗ります。電柱の色と完全には同じにできませんでしたが、あとはウェザリングでごまかすということで。

Mr. カラーは乾燥が早く、ちょっと濃いめにすると筆塗りだと塗ったそばから筆跡が出てしまったりしますが、かといってこういう細い棒状のものをエアブラシで塗装すると塗料を大量に消費してしまいます。なので、乾燥を遅らせてくれるリターダーを使ってみることにしました。塗料に10%程度添加します。乾燥は遅くなりますが確かに筆跡が出にくいかも。

この時には写真を撮り忘れていましたので、もうだいぶ完成に近づいてからの写真になりますが、ウェザリング前の色はこんな感じです。看板より下がプラパイプ部分。

さて次は、チップLEDの半田付け。今回使用したチップLEDは1608白色です。これにポリウレタン銅線0.2mmを半田付けします。0.1mmも買ってありましたが、今回は蛍光灯を支える役目も兼ねているので0.2mmにしました。

銅線は、後で極性がわかるようにプラスとマイナスで長さを変えます。今回はプラス用に9cm、マイナス用に7cmに切りました。

まず、銅線の両端のポリウレタンの被覆を溶かすと共に予備半田を付けます。

電子部品の半田付けをする時は、20wのコテで十分ですが、このように半田を銅線に予備付けするような時には100wくらいあると早いです。私はボタンで20w/130wを切り替えられる白光(HAKKO) PRESTO 急速加熱はんだこてを使っています。

さて、銅線をチップLEDに半田付けします。まずチップLEDを両面テープで固定。ちなみに、愛用している両面テープはNITTO N05000NS。粘着力はそこそこ強いのに、短時間で剥がせばキレイに剥がせます。

半田ごての先に少量の半田を乗せて、LEDの端子にチョンと乗せます。LEDは熱に弱いので、とにかく短時間で済ませないと破損します。両面テープの粘着剤が熱で溶けてLEDが剥がれないうちに半田付けを済ませればほぼ大丈夫です。

極性を間違えないように、長い銅線をプラス側、短い銅線をマイナス側に半田付け。このLEDの場合、緑のTの字の上がプラス、下がマイナスです。

銅線の、予備半田をした端っこをLEDの端子のところに合わせ、半田ゴテを当てて半田を溶かします。とにかく短時間で済ませます。なんとか簡単かつ確実に作業できないかと思って色々とやり方を工夫したり治具を作ったりしてみましたが、結局一番シンプルなこの方法に落ち着きました。ただし、とにかく小さいので、ある程度の慣れが必要ですが。

半田付けができたら点灯確認します。点灯確認用の治具は百均のお弁当箱?を利用して自作した「電飾くん2号」です。

「電飾くん2号」の回路図はこちら。

必ず電流制御用の抵抗(R1)を入れましょう。直接電源に繋いでも点灯はしますが、たぶん寿命が短くなります。RLは短絡防止用です。電源は単三電池2本を直列で使用しています。

点灯が確認できたら、瞬間接着剤で端子部分を固定し、半田付けした銅線が取れないようにします。瞬間接着剤はセメダイン3000ゼリー状、硬化剤にアルテコ スプレープライマーを使っています。

とにかく銅線は屈曲に弱いので、固定した根元を折り曲げないように注意して扱いましょう。

次に、LEDを仕込む街灯の製作。

まず、1mmプラ角棒を削って原型を作ります。長さは6mmくらい。

この原型で型をとって、UVレジンで街灯を作ります。今回は、お湯で柔らかくして簡単に型がとれる「型取くん」を使用しました。冷えるとすぐに硬化するので作業が早いし、またお湯に入れればやり直しも簡単に出来ます。

型が取れたら、透明UVレジンに白のアクリル塗料を1/3ほど混ぜて着色して楊枝の先に付けて型に入れ、チップLEDを中心にくるように固定して、LEDが埋まるくらいまでレジンを少し盛ります。ちなみにUVレジンは百均で買ったものです。川の水表現などとは違って、もし経年変化で黄変したりしても、逆に味がでていい感じになるかもですし。

台紙は牛乳パック。両面テープで貼り付けています。

UVランプで硬化させます。念の為20分、裏返して10分くらい。たぶん、もっと短くても大丈かもですが。

写真は撮り忘れてしまったのですが、型から取り出した街灯の周りのパリをナイフで取り、ヤスリで形を整えます。とにかく銅線が切れやすいので慎重に。

やはり写真を撮り忘れてますが、街灯の上側を塗装します。まず光漏れ防止のためにMr.カラーつや消しブラックを塗り、乾燥したら上からタミヤエナメルのディープグリーンを重ねました。昭和40年頃の蛍光灯街灯がどういう色だったのかがわかる資料は見つからなかったので、とりあえず電球の街灯の傘と同じにしてしまいました。

次に、プラパイプの穴から銅線を入れて下まで通します。銅線は折れ曲がると簡単に切れてしまうので、ここでもやっぱり慎重に。

通し終わったら、街灯の付け根の穴の所で銅線とプラパイプに多めに瞬間接着剤を盛って硬化剤を吹き、しっかりと固定して点灯確認。この時点で気がついて写真を撮り始めました…。

あまり細部の再現度にはこだわらなくいてもいいかとも思いましたが、電柱から線が生えてるような街灯の付き方も不自然なので、根元に溶きパテを盛って、硬化してからヤスリで四角く整え、なんとなくそれらしい形に。

取付用のバンド?くらいは表現しようと思い、マスキングテープを細く切って使うことにしました。

まず、マスキングテープの粘着力を落とさないように、両面テープの片面の剥離紙を剥がさずに貼って、剥離紙の上にマスキングテープを貼ります。

ハセガワ カッティングテンプレートAの幅0.75mmのスリットを使ってマスキングテープを細く切ります。

長さ8mmくらいに切って、固定したプラパイプにくるっと巻きつけます。できれば切れ目のところが重ならないようにしたほうがきれいでしょうが、まあ、多少重なっても気にしないという事で…。浮いてくるのが不安なので切れ目のところに少量の瞬間接着剤をニードルの先で塗って固定しました。

電柱の上下を繋げる前に、少々ディディールアップ。ピン跡を溶きパテで埋めたり、真四角の碍子の角をヤスリで削って、大雑把ですけど丸くしたり。

さて、上下をつなぎ合わせます。どうしてもセンターがずれてしまうので、芯にするプラ棒を削ってセンターを慎重に合わせてゼリー状瞬間接着剤で固定。

いつの間にか街灯取り付け用のバンドがシルバーに塗られていますね…。たぶん、上下を繋げる前に塗ったと思うのですが、よく覚えていません…。あ、塗料はMrカラーのシルバーです。

次はウェザリング。タミヤエナメルのフラットブラウンフラットブラックを1対1に混ぜ、5〜10倍程度(適当)に薄めてウォッシング。バンドなど金具類は当時鉄製だったのかどうかはわかりませんが、なんとなく雰囲気で金具周辺は薄めたタミヤエナメルフラットブラウンで錆表現。

さて、街灯付き電柱単体としてはこれで完成!ですが、まだ設置、配線が残ってます。長くなってしまうので、いったん区切って、続きは「街灯付き電柱の製作(コンクリート電柱その2)」でということで。ではまた!

ジオコレ建物コレクションの改造・電飾編その2

Apple StoreにiPhone のバッテリー交換に来たら、2時間くらいかかるんですね…。というわけで、待ってる時間にブログの更新。表参道のApple StoreでMacBookで作業してると、なんか仕事が出来る人っぽい?まあ、書いてるのはジオラマのブログですけど。

と書き始めたものの、書き終わらないうちに2ヶ月以上放置してしまいました…。

さて、建物の電飾の続き。今回は薬屋さんと雑貨屋さん。チップLEDの半田付け、回路構成などは駅ホームの照明をチップLEDで作るに詳しく書きましたが、いちおうさらっとおさらい。

チップLEDの半田付け1

チップLED(今回使用したのは1608チップ LED白色)をピンセットの先に挟んで、ピンセットをバイスで固定。破損するので締め過ぎない様に。

チップLEDの半田付け2

端子にフラックスを塗り、半田コテの先に半田をのせて端子につけて

チップLEDの半田付け3

ポリウレタン銅線(今回使用したのは赤色被膜 0.1mm透明被覆0.2mmを使用)の先端を半田コテの先で熱を加えて被覆を溶かし、半田をのせてから端子に半田付け。片手に導線、片手に半田コテを持って位置を合わせてコテ先をちょんと付けて半田を溶かして半田付けします。慣れないと難しいですが、慣れると今のところはこれが一番早いです。本当はもっと簡単にできる方法を考えて、ちゃんと治具を作りたいところですが、なかなかいいアイディアが思いつかない…。

点灯を確認したら、半田付けした端子部分にゼリー状瞬間接着剤を塗り、瞬着硬化スプレーを吹いて保護。

電球色塗装

電球色のチップLEDも売ってますが、私は白色をまとめ買いして、電球色にしたい時はタミヤエナメル クリヤーオレンジを薄ーく塗ってます。

次に基板を用意します。ユニバーサル基板(今回使ったのはサンハヤト ユニバーサル基板 ICB-86)プラ板用カッターで切断。

ユニバーサル基板を切断2

LEDの使用個数分の抵抗160Ωと電源(今回は電池CR2032 3V)からのリード線を半田付け。
※最近は200Ωを使用しています

この基板に各LEDからのポリウレタン銅線を半田付けして、建物の屋根の内側などに瞬間接着剤と硬化剤で固定しています(写真は商店長屋製作時のもの)。

あ、屋内用の照明はサイズの制約がなければ砲弾型のLEDを使っても構いませんが、写真のようにチップLEDを直接基板に半田付けする方法もあります。

LED基板の取り付け

さて、いよいよ本題、まず薬屋さんの看板灯。まずは笠の製作です。

薬屋さんの看板灯の笠1

プラ丸棒3mmをルーターの先に付けて、回しながらヤスリで削り、形を整えます。同心円状の形状はこうやって作ると早いです。

薬屋さんの看板灯の笠2

 バイスに挟んで切断。こんな小さいパーツの切断はエッチング精密ノコギリが便利。

薬屋さんの看板灯の笠3

ルーターで中を削ってチップLEDが入るスペースを作り、中心にピンバイスで1mmの穴を開けて銅線を通します。指が太いのにパーツが小さくて大変です…。あ、写真は撮り忘れましたが、光が透けるのを防ぐために内側を黒く塗っておきます。外側の塗装はダークグリーン、銅線はシルバーに塗って、エナメルのフラットブラウンのドライブラシで軽く錆塗装。

看板に取り付け

看板に穴を開けて銅線を通します。

こんな感じになりました。

薬屋さんの看板灯

さて、次は雑貨屋さん。今度は形を変えて、円筒形の照明に。

雑貨屋の看板灯1

真鍮パイプ (2.1mm)を4mm長にカットし、ポリウレタン銅線赤色被膜 0.1mm透明被覆0.2mmを半田付けした1608チップ LED白色を少量の瞬間接着剤を付けてパイプの中に入れて固定。半田付けと配線をうまくやれば真鍮パイプ (1.8mm)でも入るかも。

UV硬化レジンを中に流し込んでUVランプで硬化し固定。UVレジンは粘度が低いので狭い場所に入りやすいし、表面張力で表面が滑らかになるし、UVランプを使えば10分程度で硬化するし、最近は隙間埋めなどにもよく使ってます。

私が使っているのはKIYOHARA レジンUVランプ 9W スイングタイプ。オーブントースター型ではなく、横にスイングできるタイプが硬化させる物の大きさや場所の制約がなくて便利です。レイアウトの中など、ランプを置く場所がなくても手持ちで照射できます。疲れるけど…。

UVランプ
光漏れを塗装

点灯させながら、光漏れがない様にMr.カラーつや消しブラックで塗装。銅線はシルバー、真鍮パイプはメタルプライマーを塗ってからレッドつや消しブラックを少量混ぜて塗装後、エナメルフラットブラウンをドライブラシをして錆塗装。

看板と屋根に穴を開けてポリウレタン線の形を整えて通し、看板灯の取り付け部分は溶きパテで穴を埋めつつ少し盛り上げてエナメルフラットブラウンで錆塗装。

雑貨屋の看板灯の塗装
雑貨屋の看板灯1

LEDにはやはりタミヤエナメル クリヤーオレンジを薄く塗って電球色に。

雑貨屋の看板灯2

いやあ、今回も面倒臭かったですね…。まあ、ブログの更新をサボってた間にも更に面倒臭い作業をいろいろやっていたので、またおいおい書きますね。

ではまた!

ジオコレ建物コレクションの改造・電飾編その1

すっかりブログ更新をサボってしまいました…。見捨てないで読んでいただき、ありがとうございます。もっとこまめに更新するように努めます…。

さて、Nゲージレイアウト「駅前商店街(仮)」製作、今回はトミーテック ジオコレ 建物コレクション 電気屋の看板照明に挑戦してみました。

まず、小さい方、タイヨーカラーテレビの看板から。すでに建物はウェザリング済み。

タイヨーカラーテレビ看板

以前は看板をくり抜いてチップLEDを仕込んだ事がありますが、なかなかに面倒なので、今回は光ファイバーを使ってやってみます。まず、2つの突起を切り取ってバイスで0.8mmの穴を開け、短く切った光ファイバー0.75mmを差し込みます。

看板に光ファイバーを差す

チップLEDにリード線を半田付けし、取り付け穴の裏側から瞬間接着剤で貼り付け、建物に穴を開けて中に引き込み、基板に半田付けします。このあたりの作業については以前ブログ「駅ホーム用の照明をチップLEDで作る」で詳しく書いてますので、よろしければご覧くださいませ。

チップLEDは1608の白色。私が買ったのはこれかな?
Chip SMD 1608(0603)チップ LED白色 (120° 1015mcd)50個■083

この使い方だともう少し大きいLEDでも大丈夫ですが、チップLEDは明るさが問題なければ「小は大を兼ねる」ですので、1608をまとめ買いしてます。

取り付け穴にチップLE Dを貼る

黒く塗ってあるのは光漏れ防止です。表にも少し光が漏れるので、漏れてる場所にフラットブラックを塗って遮光します。

光漏れ

しっかり光漏れ対策をして、こんな感じになりました。あ、これはもう完成してからの写真なので、大きい看板も点灯しちゃってますが。

看板遮光済み

さて、次は大きい店の看板。全体を明るくするにはLED3〜4個は必要かと思いましたが、あまりに面倒なので…まずは2個で試してみました。少し看板との距離を取った方が光が広がるかと思い、建物側に貼り付けました。

看板用LEDを建物に貼る

あ、作業がやりにくかったので、せっかく半田付けした小さい看板の配線をいったん外してます。なんと非効率な…。無計画、行き当たりばったりなのは相変わらずです…。

看板をくり抜く

明るさを確保できるように看板の部分をくり抜き、新たにプラ板と付属していたシールで看板を作り、貼り付けます。

いつの間にか、TAIYOのTが無くなってました…。もちろん見つからず。また作るのも面倒なので、台風か何かの時に落下してしまったという事で…。

電気屋さんの看板照明

まあ、ちょっと明るさにムラがありますが、良しとしちゃいましょう。

実は、これで終わりではなく、このままでは裏側に光が漏れまくり。塗装したプラ板を貼り、ブラックジェッソを混ぜたモデリングペーストで隙間を埋め、塗装しました。

看板裏の遮光

さて、ここまで駆け足で紹介しましたが、結構面倒でした…。でも、商店街の夜景としてはとても効果的だと思うので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

ではまた!

駅ホーム用の照明をチップLEDで作る

さて、Nゲージレイアウト「駅前商店街(仮)」製作、次は駅周りの地面をセメントで作成しようと思ったのですが、その前にホームの照明用LEDがひとつ点灯しなくなっていたので交換しておきます。

駅ホームのLED点灯せず

最初に点灯していない事に気がついた時にはLEDに触ると点いたりしていましたが、そのうちに全く点灯しなくなってしまいました…おそらく、取り付け時に負荷が掛かって半田付けした端子部分が接触不良になったと思われますので、交換の際にはそのあたりに十分注意して作業したいと思います。

そして、 LED交換はしたのですが…

駅ホームの照明1

ふと気がつくと、駅名標と時刻表が見えない…。急遽、駅名標と時刻表が見えるように改造することにしました。

今回は、電気の基礎的な知識や半田付け作業などの基本的な部分まで全て説明していると大変長くなってしまうので、その辺りは別の機会にということで、省かせていただきましたのでご了承くださいませ。

まず、参考までにこのレイアウトに使っている電飾用の回路。回路といっても必要最低限、簡単すぎて恥ずかしいですが…。パワーユニット無しでもジオラマとして夜景を楽しめるようにボタン電池を使用していますので電源は3Vです。電圧が低いとLEDの明るさのバラツキが心配になりますが、ジオラマの場合には個々のLEDを別々の場所に使うのでほとんど気になりませんし。

「駅前商店街」電飾回路図

ベースボード裏の配線はこんな感じ。メンテを考えて各建物への配線は別々にして個々にミニプラグで給電、電流制限抵抗は建物側に配置します。

電飾用の配線

本来、ミニプラグを電源に使うのは良くないとは思いますが、私としてはカシメより半田付けの方が慣れていて、かつDCプラグ、ジャックは値段が高かったのでこういう選択になりました。いちおう短絡防止用に抵抗を入れてます。今度はカシメに挑戦して、ちゃんとコネクタを使いたいと思っています。

駅ホームはトミーテック ジオコレの建物コレクション 駅Bを改造したものですが、もちろん屋根に照明を付けるようには考慮されているわけではないですから、狭いスペースにむりやりチップLEDを付けてしまうことになります。

チップLEDはもともと基板に付ける物ですが、スペースが狭いので直接リード線をチップLEDに半田付けして使用します。前作のレイアウトでの街灯、看板照明なども同じように作りましたので、やり方を覚えれば値段の高い既製品を買わなくて済みます。

チップLEDを使った商店街の夜景
チップLEDを使った前作レイアウトの夜景

チップLEDへのリード線の半田付けはとにかく細かい作業でなかなか難しく、みなさん色々な方法を工夫なさっていますが、私はおそらくもっともシンプルであろうやり方に落ち着きました。手早くできる反面、少々難しくもありますが。

使用するのは、リード線ポリウレタン銅線 0.2mmユニバーサル基板抵抗 160Ω 3個。チップLEDは1608電球色2個を使用しましたが、商品検索しても、いわゆる電球色としてチップLED単体で売っているものは見つかりませんでした。以前は、マルツオンラインで、確か5個単位で買えたのですが…。

白色の物ですが、一応リンクを載せておきます。

Chip SMD 1608(0603)チップ LED白色 (120° 1015mcd)50個■083

少々値段は高いですが、配線済みの物も売っていますので、半田付けはちょっと苦手、あるいは面倒だなあ、という方は使ってみるのもいいのではないでしょうか。

[鉄道模型]こばる ME-02P 配線済みチップLED(電球) [コバル ME-02P]【返品種別B】

チップLED交換の材料

まずポリウレタン銅線を適当な長さに切ります。プラス側とマイナス側の2本×2組で4本。プラス、マイナスがすぐわかるように長さを変えて、私はプラスに長い方を使うようにしてます。今回は20cmと25cmくらい。

バイスにピンセットを挟み、さらにそのピンセットの先でチップLEDを挟んで固定します。

両面テープでLEDを固定したりもしますが、手早く作業を済ませないと熱で動いてしまいます。半田付けする銅線を利用して固定したりとか、いろいろ試してはいるのですが、今回はとりあえず2個だけだし、シンプルな方法にしました。

きつく挟むと破損する可能性があるので慎重に。以前クリップにはさんで作業したら、破損してしまったらしく点灯しなくなってしまった事がありました。それにしても、チップLEDちっちゃい…。

チップLEDの固定

私が使用しているバイスはSK ミニチュアバイス S-1。本当はもっと精度の高いバイスが欲しいですが、高いですからねえ…。その点このバイスは値段を考えるとなかなか優れものです。

少量の電子部品用フラックスを塗り、半田ゴテの先にちょこっと半田をのせて、チップLEDの端子に半田をのせます。熱で破損しないように短時間で済ませます。

LED端子に半田をのせる

ポリウレタン銅線は、まず両端に半田ゴテを押し付けて熱で被膜を溶かし、半田をのせます。1〜2mmでOK。けっこうしっかり熱を加えないとなかなか半田がのりません。先端部分、ボケててよくわからないですね…。

ポリウレタン銅線に半田をのせる

この先端をチップLEDの端子に半田付けします。銅線の先端をLEDの端子にのせて、上から半田ゴテを当てて半田が溶けたらコテを離します。1、2秒で固まりますが、固まる前に銅線が動いて端子から離れてしまったらやり直し…。最初のうちは何回もやり直してLEDを何個か壊してしまいましたが、だいぶ慣れてきて、ほぼ一回で出来るようになってきました。あ、ちなみにこのLEDの極性は、「T」のマークの上側がプラス、下側がマイナス。製品によって表示は違うので、使う前に仕様書などでしっかり確認しましょう。

ポリウレタン銅線の半田付け

この状態のまま、半田付けした部分に余計な力が加わらないように注意しながら点灯確認。ちゃんと点灯しました!

チップLEDの点灯確認

点灯確認に使っているのは、自作の治具「電飾くん1号」。いたって簡単な回路ですが、いちいち電源や抵抗をつないで確認するのは面倒なので重宝します。

電飾くん1号回路図

点灯を確認したら、断線の防止の為に半田付けした端子の部分と、2本の銅線を1〜2cm分ほど瞬間接着剤で固定します。こういう時も、やはり瞬間接着剤硬化剤があると作業が早いです。

ちなみに、念のため瞬間接着剤の絶縁性を調べてみたら、アロンアルファで体積絶縁抵抗10^14Ωcm!端子間にまたがっても全く問題なさそうです。

瞬間接着剤で断線防止

ホーム屋根にLEDと銅線を瞬間接着剤で固定。あ、ホーム屋根の内側はLEDの光が透けないようにブラックジェッソを塗っています。LED側から少量の瞬間接着剤と硬化剤で、順番に何箇所か接着していきます。瞬間接着剤を一度にべたっと大量につけると、もしまた交換が必要になった時に外すのが大変になります。今回の交換で思い知りました…。

ホーム屋根にチップLEDを固定

銅線にはジェッソを塗って、古い駅によくあったような気がする、用途がよくわからない配管だか配線だかを装ってごまかします。

ポリウレタン銅線の塗装

次に基板を用意します。ユニバーサル基板(今回使ったのはサンハヤト ユニバーサル基板 ICB-86)プラ板用カッターで切断。

ユニバーサル基板を切断
ユニバーサル基板を切断2

先に交換したLEDも一つの基板にまとめてしまいますので、抵抗160Ω3個と、ミニジャックを付けたリード線を半田付け。
※2019.1.9追記 最近は200Ωを使用しています

抵抗とリード線を半田付け
抵抗とリード線を半田付け2

ポリウレタン銅線をホームに開けた穴から裏に通し、基板に半田付け。しっかり加熱しないと銅線の被覆が溶けないので、ちゃんと半田が銅線にのっているかどうか目視でも確認します。

ポリウレタン銅線を半田付け

半田付け作業に重宝するのがこれ、goot ヘルパー レンズ・クリップ付 。私が使っている物はもう古い機種らしく見つかりませんでしたが、これが後継機種のようです。ど近眼の私でもさすがに老眼が進んできているので、レンズ付きというのもありがたいです。もちろん半田付け以外の作業にも活躍しています。

余分な銅線をカットし、基板を駅ホーム裏に瞬間接着剤と硬化剤で固定。これも、あまり量をつけすぎると外すのに苦労するので注意。今まで使ってたアルテコ 瞬間接着剤硬化剤が無くなってしまったので、今度はウェーブ 瞬着硬化スプレーを買ってみました。低臭タイプとありますが、確かに多少は匂いが少ないかな?効果はほぼ同じ気がしますが。

基盤の固定

さて、点灯確認。

点灯確認

あまり前方に光が来ないようにブラックジェッソを塗って調整。

ブラックジェッソで光量調整

よし完成!と思いきや、半田付け作業の際に半田ゴテが当たってしまったらしく、屋根の一部が溶けてました…。

溶けた屋根

こういう時の修正にはヒートペンが便利。別売りの精密オプションビットを駆使して溶かしながら寄せて上げて?形を整えます。

ホーム屋根の修正1
ホーム屋根の修正

仕上げにヤスリをかけてから塗装。遠目ならわからない程度にはごまかせたか?

ホーム屋根の修正3

改造終了!

駅ホームの照明2

ちょっと長くなってしまいました…。

レイアウトやジオラマの電飾を自分で作るのはちょっと難しそうだし、手間もかかりそう…と思ってしまう方も多いでしょうが、こんな電飾がしてみたい!でも望んでいるような製品は売ってない…そんな場合でも自分のアイディア次第で実現出来るし、何より既成の製品を買って使うより安く済みます。がんばって挑戦してみてはいかがでしょうか。

ではまた!